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第3回 K2オープンセミナー『次世代医療のための医工連携セミナー』開催報告

2024.12.27

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2024年12月20日(金)、第3回K2オープンセミナーが開催されました。
今回のテーマは『次世代医療のための医工連携セミナー』
はじめに、慶應義塾大学新川崎先端研究教育連携スクエア(ハプティクス研究センター長)大西公平 特任教授より開会の挨拶。今までの医工連携と、これからの医工連携を、現在、研究や現場で活躍する3名の講師をお招きし、それぞれの立場から講演いただきました。

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これまでの医療は治す医療、診断をする医療、そのための医療機器を生産してきましたが、少子高齢化にともない、治す医療から予防する医療へ、今回は将来を見据えた新しい医工連携の形をご紹介いただきました。

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『工学と医学の新時代連携:次世代の内視鏡下手術機器への期待』

古谷 健一 氏
防衛医科大学校 名誉教授・大学医師会顧問

実際に内視鏡手術に携わり、最新の機器にも通じている防衛医科大学校 名誉教授・大学医師会顧問の古谷 健一先生のご講演では内視鏡手術、ロボット支援手術についてのお話でした。
現在の触覚が伝わらない手術支援ロボットは、ある程度の限られた領域で、医師の熟練した技術が必要となり、医療事故やトラブルも発生しています。いかに触覚技術が必要かを事例を交えて分かりやすく紹介いただきました。

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後半では古谷先生より実際に体験された次の世代の最先端技術(医療と工学)と、今後の高精細画像(8K)と触覚技術(リアルハプティクス)の応用への期待を語っていただきました。

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『"Engineering the extraordinary"
医療機器分野でのイノベーションと日本発リアルハプティクス技術の医療機器への活用に向けた協働』

池田 剛 氏
日本メドトロニック株式会社
 ヘルスケアエコノミクス アンド ガバメントアフェアーズ シニアマネージャー 

次に世界最先端の医療機器を作り販売をしている日本メドトロニック株式会社 ヘルスケアエコノミクス アンド ガバメントアフェアーズ シニアマネージャーの池田 剛 様にご講演いただきました。
日本メドトロニック株式会社は、世界初の医療機器 電池式体外型(ペースメーカー)を開発した会社であり、現在、多くの医療機器を世界に事業を展開しています。 また現在、川崎市の殿町にはイノベーションセンター(医療機器を適切に安全に使用するためのトレーニングセンター)もあります。

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リアルハプティクス技術の医療機器への活用として、現在進めている貫通検知・自動停止機能を有するハプティック骨ドリルの開発についてのお話でした。
現在は触覚がない状態で、骨を削りすぎたり、神経を損傷してしまうなどの重大な事故が起きており、リアルハプティクス技術を使って骨を削ることで事故を防ぐことができるとハプティクス技術の重要性を語っていただきました。

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『医工連携における発明と発見の循環を促すモーションテクノロジー』

下野 誠通 氏
横浜国立大学 工学研究院 准教授
 総合学術高等研究院 次世代ヘルステクノロジー研究センター長

続きまして横浜国立大学 工学研究院 准教授であり総合学術高等研究院 次世代ヘルステクノロジー研究センター長の下野 誠通先生より理工学の立場から、伝送、記録、再現、編集など、人の力加減(触覚)を記録することによって人のスキルを再現できるハプティクスについての紹介や、慶應義塾大学のハプティクス研究センター培った技術をベースにどのように医療デバイスの開発につなげていったかという内容で、リアルハプティクスの医療デバイスの応用事例としてハプティック骨ドリルの開発についてご紹介いただきました。

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講師の方々による座談会

(モデレーター 大西 公平 氏)古谷 健一 氏、池田 剛 氏、下野 誠通 氏

後半では参加者からいただいた質問をもとに座談をしました。
質問では本質的な内容から現在直面している課題、技術的な問題について幅広くいただき、それぞれの立場から語っていただきました。

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情報交換会

座談会終了後は、講師と参加者との名刺交換・情報交換会を行いました。終始和やかな雰囲気で参加者同士の交流も深まり、有意義な時間となりました。

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