常任理事挨拶

産官学地域連携を目指して

天谷 雅行

慶應義塾は東京圏の6つのキャンパスを中心に教育と研究を、また、新川崎と鶴岡の2つのタウンキャンパスで主に研究を行っています。さらに、2016年度から川崎市の殿町に新しいタウンキャンパスが加わり、それぞれのタウンキャンパスは、特徴あるスタイルで研究活動を行い、同時に大学院生や社会人を対象として教育活動も行い、人材育成の面でも貢献しています。新川崎・創造のもりにある新川崎(K-Square:K²)タウンキャンパスは、慶應義塾が川崎市と協働して2000年に開設したもので先端研究教育連携スクエアを開設し、産官学連携の拠点として、最先端の研究や教育活動を推進し、「新産業・新事業の振興」、「社会・地域への貢献」を柱とする複数の事業を展開しています。慶應義塾の6つのキャンパスから教員研究者や大学院生が、それぞれの研究プロジェクトに参加する分野融合型キャンパスを形成し、独自文化が醸成されています。また、隣接するかわさき新産業創造センター(KBIC)や、東京大学、東京工業大学、早稲田大学と共同運営されている、4大学ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアム(NANOBIC)と協調した研究活動を行っています。現在K²では、リアルハプティクス、光ネットワーク、スマート社会のための環境・医療などのプロジェクト等が実施されています。

慶應義塾はこれまで積極的に国内外大学や企業との共同研究に取組んできました。これまでに蓄積された豊富な経験を生かし、企業との共同研究センターの開設や海外大学・研究機関との研究連携が進んでいます。今後、K²では学外研究機関や民間企業などの研究者が慶應義塾の研究者や大学院生と協働して研究や技術開発を行い、慶應義塾が有する研究シーズを社会実装するためのオープンイノベーションの拠点として、同時に、ここに集積する学外研究者の多くが大学院生の副指導を担う、新しいスタイルの国際教育研究連携の場を提供するスクエアとして、その価値はさらに高まるものと期待しています。

慶應義塾常任理事 天谷 雅行

メニュー