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第2回 K2オープンセミナー《リアルハプティクスでロボットが進化する》

2022.11.24
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 1980 年のロボット元年以来、ロボットはどれだけ人に近付いただろうか。画像など各種のセンサ情報が広く利用されるようになったものの、ロボットの操作対象に対する適応能力は依然として乏しい。私たち人間は日常活動のかなりの部分を無意識的な動作で占めており、これはセンサ情報で補えない先天的ともいえる能力である。人間が巧みに対象に適応して動作するのはこのような無意識的な能力が発達しているからである。次世代のロボットにはこのような高度な適応能力が不可欠である。ハプティクス研究センターの最近の研究で、リアルハプティクスとAIを組み合わせることで人間の持つ無意識的な適応能力がロボットで実現できることを見出した。
ロボットの飛躍のときが到来したのである。



プログラム

開催日時 2022年11月25日(金)13:30~15:20《終了》
開催形式 オンラインセミナー(Zoom ウェビナー)
主催 川崎市(経済労働局) 、慶應義塾大学 新川崎 K2タウンキャンパス
協力 公益財団法人 川崎市産業振興財団、川崎信用金庫
オンラインセミナーチラシダウンロード

▶︎現在CEATEC 2022 にてオンライン出展中 new!!
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※事前登録が必要です。

第一部
『ロボットはどれだけ人に近づくか』

13:30~14:00
大西 公平
慶應義塾大学 特任教授
ハプティクス研究センター センター長 

《概要》私たち人間は動物であり特有の本能的な動作を行う。それは特に意識していないものの、日常活動のかなりの部分を占める。このような無意識的な動作は長い進化の歴史の中で獲得した生物の能力である。私たちは「把持する」「押す」といった大まかな意識はあっても一つ一つの細かなところまでは特に意識しない。人間が対象に巧みに適応するのはこのような無意識的な動作が発達しているからである。最近の研究で、リアルハプティクスとAIを融合させることでロボットに無意識的な動作をさせることが可能であることがわかってきた。その概要を紹介する。

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第二部
リアルハプティクスの活用事例について

14:00~14:20
野崎 貴裕
慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 准教授

《概要》人間が創り出す優しく柔軟な動作を人工的に生み出すことが可能な力触覚伝送技術「リアルハプティクス」を用いることで、人間の動作のデータや作物のデータを記録、編集、再現することが可能になります。これによって既存の電動装置では実現が困難であった多種多様な動作や手間暇のかかる作業の自動化と省力化が実現されます。本セミナーではリアルハプティクスの基本原理と活用事例についてご紹介します。

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第三部
『プラント運転現場の仕事改革!』

〜3K作業を快適な環境下での軽作業に変える〜

14:20~14:40
古家 秀彦
日鉄エンジニアリング株式会社
技術統括センター 制御技術部
執行役員(制御技術部長、PMIS・デジタルEPC部門管掌)

《概要》プラントの運転現場では、自動車等の組み立て工場と異なり、人間の感覚に頼った非定型作業が多く存在します。当社では2013年から慶應義塾大学と共同でリアルハプティクス技術による現場作業の完全機械化・遠隔操作化に取り組んできました。今回は廃棄物発電施設の炉前作業を遠隔操作の快適な環境下での軽作業に変えたロボットシステムを紹介します。本取り組みは、一般財団法人エンジニアリング協会より商業的実用化が期待される先駆的技術の開発に顕著な功績があったとして2022年度「エンジニアリング奨励特別賞」を受賞しました。

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第四部
『原油採取設備へのリアルハプティクス技術の適用』

〜異常の早期検知を含む操業状態把握の精度向上〜

14:20~14:40
高木 元太
株式会社INPEX
新分野事業本部新分野事業ユニット
コーディネーター

《概要》原油の採取方式には地下にポンプをセットし、地上からロッドを接続、上下させることで流体を地上まで回収するサッカーロッドポンプ採油がある。この駆動源はモーターであるが、これにRH技術を適用することで、ポンプ状況の変化(異常)を把握するシステムの構築および当該システムの有効性検証を試みた。ここまでの結果として、ポンプ内へのガスの混入といった特殊事象を十分判別可能といった有用性が確認されている。今後は有効性の詳細検討および活用に向けたアプリの開発、および掘削システムの適用についても検討を行う。

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Q&A

15:00~15:20


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